
Tokyo International Cruise Terminal
”心海に誘うターミナルへようこそ”
東京国際クルーズターミナルから「海」を見ながら、近づいては遠くへゆらぎ、とどまることない波間に、人間社会における「時間」とは別の尺度で”とき”を感じ、自分や他者との「心」の新たなふれあいを想像しました。
「+A+ (プラス・エー・プラス)」は、「+A+」という架空のコードがポート(PORT/港)に接続する「世界」を音と映像で鑑賞する展示です。「A」は、出会いや伝承を内包する港の存在と、日本文化の文脈に「"A"dapt(適応)」した海との関わりを「”A”rtist」が表現し、「"A"rchive」する文化芸術活動の過程をあらわしています。
今回展示する3組のアーティストは、文化的な視点を自らに置き、この関係性を環世界として人の「心」と「海」について捉えることで心にふれる景色へと誘い、時代を超えたうねりとして、本質的な問いに向き合う時間を刻みます。東京国際クルーズターミナルで、みなさまの「心」のなかにある「海」を発見し、芸術的に表現されてきた日本の海の文化の新たな視座を、東京湾の風景とともにご鑑賞ください。

- 竹川潤一 | キュレーター
- 1972年、新宿生まれ。David Watts inc.代表。東京と神奈川を中心に活動。人の創造性が芽生える瞬間をアートとテクノロジーの時空をこえたつながりを見出す体験としてつくりあげる。思考の異なる産業・業界を超えるプロジェクトの企画立案や演出を総合的に設計することで新しい体験を常に探求している。日本の美のメッセージを未来へ伝える活動を行う、一般社団法人PEACE NIPPON PROJECT理事。一般社団法人MUTEK Japan理事、アジア唯一の電子音楽とデジタルアートの祭典「MUTEK.JP」のクリエイティブディレクター。
展示場所:東京国際クルーズターミナル 3階 大型LEDビジョン
3月22日〜終了日未定
※本作品は開館時間中(9:00-17:00)1時間に約3回放映される予定。
Exhibition theme

Interview Movie
日本の鳥瞰図 大石啓明 + ながしまみのり
- Artist
- 大石啓明
- 1984年、福岡県生まれ。九州大学大学院芸術工学府修了。コンピュータグラフィックスとアルゴリズムによる、身体と環境との対話性、有機的、情緒的表現を追求した映像メディア作品を制作し、教育・研究活動を行う。近年の主なプロジェクトにteamLab『憑依する滝 / Universe of Water Particles』(2013年)の映像制作、ながしまみのり『Queen of xxx』(2019年)のMV制作などを手がける。武蔵野美術大学デザイン情報学科専任講師。
- 大石啓明
- ながしまみのり
- 音楽とアートの領域を自在に行き来しながら活動するアーティスト。東京藝術大学卒業、慶應義塾大学大学院修了。作編曲家として舞台やファッションショー、映像作品の音楽に携わるほか、バンド「女王蜂」などに参加。アート作品や展示ディレクターとしても活動しており、近年では「ヨルノヨ -YOKOHAMA CROSS NIGHT ILLUMINATION-」(横浜市、2020年)「人体 NETWORK SYMPHONY (特別展 人体 ―神秘への挑戦―)」(国立科学博物館、2018年)など大規模作品の制作を主導。作品の音楽は自身で作曲、音響設計まで行っている。
- ながしまみのり
江嶋縁起 江原彩子
- Artist
- 江原彩子
- 1985年、東京都生まれ。アーティスト、VJ。オランダのハーグ王立美術学院(KABK)を卒業後、10年以上、コンサートを中心に、エンターテインメントの世界でVJとして映像制作やオペレーションなど多数のステージを手がける。2020年より本格的に国内外で活動を開始。「記憶の中の原風景」をテーマにデジタルアートの分野で作品を発表する。近年の主な活動に、「MUTEK.JP」(2021年)「XRE's Ars Electronica Festival Garden NYC Portal」(2021年)など。
- 江原彩子
江戸前鰻 滝戸ドリタ
- Artist
- 滝戸ドリタ
- 東京を拠点とし、アーティスト、デザイナーとして活動。異なる機能や感覚を組み合わせることによって、感覚がずれるような新たな体験を作り上げる。テクノロジーと洗練されたデザインを並走させながら、思考の入口を作る。『Bug’s Beat』(2017年)でPRIX ARS ELECTRONICA DIGITAL MUSICS & SOUND ART Honorary Mentions受賞およびARS ELECTRONICA STARTS Prize 2017ノミネート。『Slime Synthesizer』(2014年)で第18回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門新人賞を受賞。シンガポールやオランダでの展示など国内外で活躍。
- 滝戸ドリタ
The Concept Behind the Logo
- Design
- 立花ハジメ
- 1951年、東京都生まれ。ミュージシャン/グラフィック・デザイナー/アーティスト/詩人。74年にグラフィックグループ「ワークショプMU!!」に参加。76年にリーダーを務める日本人グループ初の海外マネジメントで全米・全欧ワールドツアーを行う伝説のバンド、プラスチックスとして、英国ラフトレードより世界デビュー。81年、アイランド・レコードから『WELCOME BACK』を全世界リリース。バンド解散後にソロ活動を開始し、映画『ラスト・エンペラー』(1987年)にも出演。グラフィック・デザイナーとして第35回ADC最高賞を受賞(1991年)。メディアアーティストとしても数々の展覧会が好評を博す。『文化庁メディア芸術祭10周年記念企画展「日本の表現力」』の「未来への可能性」部門に選出(2006年)。自身初の自伝的詩集『オリガト プラスティコ ORIGATO PLASTICO』(2021年)を出版し、現在も”ひとりプラスチックス”として活動中。
- 立花ハジメ