Agency for Cultural Affairs, Goverment of Japan
CULTURE

Coexistence
with nature

Kansai International Airport

関西国際空港の展示テーマは「LIFE」。8人のマンガ家が関西周辺8つのエリアの文化を描きます。
関西エリアは日本の歴史の中でも古くから政治・商業・文化が栄え、今でも各地に史跡や伝統が残っています。それぞれの地域で多様な文化や暮らしの背景には、それを可能にした海や山、川など、土地の自然の存在がありました。日本列島がアジア大陸から分離する際に生まれた山陰海岸の複雑な海岸線、交通の要衝として発展した播磨、水の恩恵がくらしや信仰につながる琵琶湖・北陸、独自の作物が育つ丹波、国産みの伝説が残る淡路島・徳島、古代の神話とつながる伊勢・奈良、紀伊半島の奇岩や原生林を貫く巡礼の道、工芸文化の多く残る福井・琵琶湖東岸・三重。それぞれの地域の自然が持つ特色は、地域の暮らしや生態系に大きな影響を与え、独自の文化を育んできました。
本展示では、関西周辺8つのエリアを「自然との共生」の観点から「8つの道」として捉え直しました。それぞれのエリアとリンクする世界観を持った8人のマンガ家がそれぞれの道をテーマに自然や文化、人々の暮らしを描きます。

展示場所:関西国際空港 第1ターミナルビル2階キャニオンブリッジ(吹き抜け通路)

Exhibition theme

Coexistence with nature
“LIFE”

Exhibition list

岬の道(山陰海岸) 五十嵐大介

Artist's Comment
山陰海岸の変化に富む地形に豊かな自然、それらに育まれ寄り添う人々の暮らし。魅力的な要素がありすぎて絞り込むのは大変でした。今回はコウノトリに自然の豊かさを象徴してもらい、その背に乗って様々な場所を見て回るイメージで構成しました。暮らしの中から生まれた芸能に、そこに生きる人々の想いを。神話のエピソードに歴史を、それぞれに込めて描くことにしました。共に生きる生き物たちに彩りを添えてもらっています。
岬の道(山陰海岸) Details
京都から鳥取へと海岸線を抜けるこのルートは「岬の道」。複雑な海岸線を持つ山陰海岸はユネスコ世界ジオパークにも登録されています。日本列島がアジア大陸から分離した際生まれた複雑な海岸線は、現在に至るまでユニークな地形や生態系をこの地にもたらしています。そして人々は、その自然を背景にした海岸線ならではの暮らしを営んできました。
五十嵐大介
マンガ家。埼玉県生まれ。多摩美術大学絵画学科卒業。独特の世界観で、自然と人間の繋がり、神話や伝承の世界、生態系や生命のなりたちを描き出す。2004年、『魔女』(小学館)で第8回文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞。2009年、『海獣の子供』(小学館)で第38回日本漫画家協会賞優秀賞、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。他代表作に『リトル・フォレスト』『ディザインズ』(講談社)、『SARU』(小学館)、『カボチャの冒険』(竹書房)など。絵本、装画も多数。『リトル・フォレスト』は日本と韓国でそれぞれ2014年、2018年に実写映画化。『海獣の子供』は2019年日本でアニメーション映画化された。

職人の道(播磨) 横山裕一

Artist's Comment
瓦及び日本刀を造る男達の苦悩を描いたこの2作は「瓦と刀」というタイトルだ(※実際の製造法を忠実に描写したわけではありません)。どちらも左から右に読み進みましょう。最も描きたかったのは登場する職人と見物群集の顔である〈いろんな人が出てきます〉。

翻訳:ライアン・ホームバーグ
職人の道(播磨) Details
古くから近畿と中国地方を結ぶ交通の要衝として栄えた播磨エリア。姫路城を中心としたこの地は、禅や茶の湯といった武家の文化を中心とする豊かな文化が息づいています。また、白鷺城と称される姫路城の漆喰やいぶし瓦の技術、たたら製鉄までさかのぼる鍛冶文化に支えられた刀剣、江戸でもてはやされ、現在でも日本有数の生産地として知られる酒造りなど、様々な技術や文化が、変化を受け容れながら現代につながっています。
横山裕一
美術家、マンガ家。1967年宮崎県生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒業。2004年に『ニュー土木』で単行本デビュー。「ネオ漫画」 と称される横山の漫画に明確なストーリー展開はなく、複数の登場人物による非友好的かつ目的不明な行為、謎の物体が移動、変形する様子を描写することにより、純粋な時間の流れが表される。代表作に『トラベル』『NIWA』『ベビーブーム』『世界地図の間』など。また国内外で多くの個展を開催するなど、美術家としても活躍。『ベビーブーム』で第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門 審査委員会推薦作品に選出。

水の道(琵琶湖・北陸) せきねゆき

Artist's Comment
福井から琵琶湖、京都へと続く「水の道」というテーマを頂き、琵琶湖に浮かぶ水の神・龍神がいるという「竹生島」にとくに心惹かれ、中心に描いてみました。日々の暮らしの中で何かしら渇いたり潤ったりする瞬間、私達は龍神と邂逅している───なんてこともあるかもしれない。私自身今海=水の近くで暮らしており、作品制作にあたり改めて近隣の海辺にあちこち行ってみたりもしました。
水の道(琵琶湖・北陸) Details
北陸から琵琶湖にかけてまたがるルートは「水の道」。日本最大の湖である琵琶湖を始めとして、豊富な水資源は人々の喉を潤すだけでなく、交通・輸送の重要な手段として暮らしを支えてきました。人々は水の恵に感謝の念を抱き、水と結びついた様々な信仰を育んできました。関連する寺社や祭事をとおして今もなおこれらの信仰が受け継がれている様子を目にすることができます。
せきねゆき
イラストレーター、漫画家。埼玉県川越市生まれ、千葉県いすみ市在住。津田塾大学国際関係学科卒業。日々の暮らしから着想を得た、温かい色彩の水彩と、余白と余韻を残す表現が特徴。初の絵本『晩夏』(新風舎)で第9回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。挿絵作品に『空のてっぺん銀色の風』(小峰書店/第51回青少年読書感想文全国コンクール課題図書)『最後の授業』(ポプラ社)『優しい音』(小峰書店/第28回新美南吉児童文学賞受賞)『明日の来ない国』(朝日小学生新聞連載小説)漫画作品に『ゆるゆるマクロビ生活 かんたん玄米菜食コミックエッセイ』(KADOKAWA)などがある。

巡礼の道(紀伊半島) 漆原友紀

Artist's Comment
熊野古道は、以前その風景や歴史に惹かれ少しだけ歩いた事がありました。巨木の力強さや空気の清々しさ、険しい山々をゆく夥しい数の巡礼者の思いをひしひしと感じる場所でした。今回、高野山、熊野、吉野を繋ぐ参詣道を描かせて頂き、その時の記憶を元にさらに長い旅をしたような気持ちです。さらに知らなかった多くの魅力的な場所もあると知り、また訪れたくなりました。少しでもその魅力が伝えられたら嬉しく思います。

© URUSHIBARA Yuki / KODANSHA
巡礼の道(紀伊半島) Details
紀伊半島のテーマは「巡礼の道」。紀伊山地の深い原生林に覆われた山々や巨岩の多い地形は、人々に自然への畏敬の念を感じさせ、自然崇拝をはじめ、外来の宗教とも混ざりあった様々な信仰が育まれてきました。特に熊野三山、高野山、吉野・大峯の3つの霊場とその参詣道は、巡礼の歴史の中で生まれた文化的景観が評価され世界文化遺産に登録されています。
漆原友紀
1974年、山口県生まれ。『蟲師』(単行本では『瞼の光』に改題)が1998年、アフタヌーン四季賞の四季大賞を受賞し、商業誌デビュー。『蟲師』は2005年にアニメ化、2007年に映画化された。ノスタルジックでどこか切ない世界と、そこを舞台に不可思議なことをあくまで日常的に繊細に描く叙情的な作風を特徴とする。『蟲師』で第7回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第30回講談社漫画賞一般部門を受賞。代表作に『蟲師』(講談社)、『水域』(講談社)、『猫が西向きゃ』(講談社)など。

神話の道(伊勢・奈良) 安彦良和

Artist's Comment
『ヤマトタケル』は有名な伝説の英雄を描いた物語で、大和ー伊勢エリアも重要な舞台になっています。謎につつまれた古の日本には、まちがいなくヤマトタケルのような人物がいて活躍していました。その姿を感じていただければ幸いです。
神話の道(伊勢・奈良) Details
奈良から伊勢に至るこのルートは「神話の道」。古代日本の黎明期において、政治や文化のオリジンでもあったエリアです。現存する日本最古の歴史書「古事記」においては当時の歴史は神話と地続きで描かれています。奈良の古墳や史跡や日本神道の頂点である伊勢神宮は古事記の時代のイメージを現代に伝えています。遺跡や解明されていない謎が人々の想像力をかきたてる地です。
安彦良和
1947年、北海道生まれ。1970年からアニメーターとして活躍。『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)、『勇者ライディーン』(1976年)、『無敵超人ザンボット3』(1977年)などに関わる。『機動戦士ガンダム』(1979年)では、アニメーションディレクターとキャラクターデザインを担当し、画作りの中心として活躍。その後、1989年から専業漫画家として活動を開始。日本の古代史や神話をベースにした作品から日本の近代史をもとにしたものなど、歴史を題材にした作品を多く手がけている。『ナムジ』で第19回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。『王道の狗』は第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』では第43回星雲賞(コミック部門)を受賞した。

海の道(淡路島・徳島) 里中満智子

Artist's Comment
神話によると―我が国の最初の国土はイザナミ命、イザナギ命のカップルによって生み出された―とあります。古代から日本人は「男女が協力しあってこそ何かが生まれる」と実感していたのでしょう。「現代的な考え方でステキ」と思いながら、日本最初のカップルが淡路島を生み出すシーンを描きました。 空港は夢と未来への入り口ですから「これから新しい世界を創る」という期待に満ちた雰囲気を感じ取ってもらえたら、うれしいです。
海の道(淡路島・徳島) Details
淡路から徳島へと瀬戸内海を渡るこのルートは「海の道」。世界三大潮流の一つと言われる鳴門の渦潮などで知られるこの海は、日本最古の歴史書「古事記」の冒頭を飾る「国生み神話」の舞台です。イザナギ、イザナミという二柱の神はこのエリアの中心にある淡路島を筆頭に、日本列島を構成する島々を次々に生み出したと伝えられています。海を眺めながら悠久の歴史を感じることのできる地です。
里中満智子
1948年、大阪府生まれ。高校2年生の時『ピアの肖像』で第1回講談社新人漫画賞受賞、その後プロ活動に入る。歴史を扱った作品も多く、持統天皇を主人公とした『天上の虹』は32年かけて完結した。代表作に『あした輝く』『アリエスの乙女たち』『海のオーロラ』『あすなろ坂』『狩人の星座』『古事記』など。 2006年には全作品及び文化活動に対し文部科学大臣賞受賞。その他文化庁長官表彰(2010年)、古事記出版大賞太安万侶賞(2013年)、外務大臣表彰(2014年)など受賞多数。漫画家以外にも、大阪芸術大学教授、公益社団法人日本漫画家協会理事長、NPOアジアMANGAサミット運営本部代表など漫画・文化の普及に関わる幅広い活動に携わっている。

実りの道(丹波) 雁須磨子

Artist's Comment
今回は「里山の道」をテーマにいただき、丹波エリアの四季折々を、2人の女性がすごしていくさまを描きました。藤や紅葉の自然の美しさや、多彩な行事のおごそかで賑やかな感じが少しでも伝わると嬉しいです。丹波小豆の美味しそうな魅力も。
実りの道(丹波) Details
丹波エリアのテーマは「実りの道」。かつて丹波国と呼ばれたこのエリアは「波打つ稲穂」のイメージからその名がついたという説があるほど、豊かな食材の宝庫として知られていました。日本海側気候と瀬戸内海気候が入り交じるこの地では古くから独自の作物が収穫され、「丹波」のブランド名で親しまれてきました。日本の原風景である里山の光景の中でも、特に豊かな実りの四季を感じられる地です。
雁須磨子
福岡県生まれ。 1994年に『SWAYIN' IN THE AIR』(「蘭丸」/太田出版)にてデビュー後、 ボーイズラブ誌、少女漫画誌、青年漫画誌など幅広いジャンルで活躍。独特のユーモアと繊細な心理描写で紡がれる物語、個性的なキャラクターが特徴で、読者の熱い支持を集める。代表作は『かよちゃんの荷物』(竹書房)『いばら・ら・ららばい』(講談社)『のはらのはらの』(大洋図書)『幾百星霜』(太田出版)など。2006年に『ファミリーレストラン』(太田出版)が映像化された。2020年、『あした死ぬには、』(太田出版)で第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。

工芸の道(福井・琵琶湖東岸・三重) 山田芳裕

Artist's Comment
拙作『へうげもの』とも関わる地域の工芸品を描きました。鯖江の眼鏡がすたれてしまったら、良い眼鏡が手に入らなくなるかもしれません。諸事情はさておき、アセテートでなくセルロイド製を強く欲しています。伝統を大切にしてもらいたいと願い、信楽の狸はあえて江戸期の品を参考にしました。越前漆器や越前焼には質実な味わいを感じます。末永く残してほしいものばかりなので、新たな発見に寄与できれば光栄です。
工芸の道(福井・琵琶湖東岸・三重) Details
三重から琵琶湖東岸を通って福井へ抜けていくルートは「工芸の道」。豊かな木や水、土などの自然に恵まれたことを背景に、それらを素材としたクラフトの文化を発展させてきました。陶土から生まれた伊賀焼、信楽焼や水の恵みを活かした近江上布。越前漆器や越前和紙、越前打刃物など実に数多くの工芸品で知られています。クラフトの精神は現在にも受け継がれ、現在も新たなチャレンジが続けられています。
山田芳裕
1968年新潟県生まれ。1987年、大学在学中に講談社主催のちばてつや賞入賞作『大正野郎』で週刊「コミックモーニング」(当時)から漫画家デビュー。今日に至るまで「日本人」像を終始一貫追い求め、強烈な「業」を持つ個性豊かなキャラクターとオリジナリティの高いドラマ性が、ジャンルを越えて強く支持されている。代表作に『デカスロン』(小学館)『度胸星』(小学館→講談社)、『ジャイアント』『へうげもの』 (講談社)などがある。2009 年、『へうげもの』で第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞ならびに第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。現在、週刊「モーニング」で『望郷太郎』(2019~)を連載中。

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