Agency for Cultural Affairs, Goverment of Japan
Creator’s Voice 忍者 × ユーフラテス

伊賀・甲賀に生きた忍者の実像から発想した「ヒトの気配」

ユーフラテスは制作にあたり、伊賀忍者博物館や甲賀の里忍術村など、中部地方の忍者に関する施設を視察。視察ツアー後、忍者に対するイメージの変化や、予定する表現手法を聞いた。

ー現地視察を通じて、印象に残ったことを教えてください。

今回の視察では、忍者にまつわる施設や資料を数多く拝見しました。都から離れた土地柄が自警団的な組織を生み、山に囲まれた地形が罠や仕掛けを使った忍者らしい戦術のベースとなった話など、環境が「忍者」を生んだ点が興味深かったです。また、忍者というとアクロバティックな動きがイメージでしたが、普段は農民の生活を送り、必要とあらば忍者としてのスパイ活動に入るなど、実在の忍者は静かな存在だったと感じました。

伊賀の忍町の武家屋敷を視察するユーフラテスの山本晃士ロバート(左)と佐藤匡(右)
掛け軸の裏の隠し扉(甲賀の里忍術村)

ー制作予定の作品について教えてください。

忍者の生活、戦いの技法にある「隠れる、潜む」要素を、私たちが研究してきたBiological Motionという認知科学の知見と組み合わせ、「周囲に紛れて隠れているが、ふと出現する」「気づくと周囲に溶け込み、見えなくなる」という、「ヒトの気配」を感じられる作品を構想中です。 Biological Motionとは、ヒトの姿を複数個の点の動きで表現する、知覚心理学の分野で生まれた実験手法です。今回はスモークガラスで覆われた箱のなかに複数のLEDを設置し、そのなかのいくつかのLEDが動き出すことで、突然、生々しいヒトの存在が感じられる表現を目指しています。この展示を考えるにあたり、複数個の点で表現されたヒトのモデルをつくり、「直接、両目で」観察したところ、映像と異なる立体感と存在感がありました。この生々しさは実物でしか体験できないものです。

ユーフラテスによる作品展示イメージ
Biological Motionを用いたヒトの動きの実験映像

Profile

ユーフラテス
慶應義塾大学 佐藤雅彦研究室の卒業生により2005年設立。さまざまな「研究」を基盤として活動しているクリエイティブグループ。研究活動から生まれる表現にこそ根源的な面白さがあるという考えのもと、映像・アニメーション・書籍・展示などを通した新しい表現の開発やメディアデザインに取り組んでいる。近年の活動に、NHK Eテレ『ピタゴラスイッチ』『2355・0655』『考えるカラス』『テキシコー』の映像制作、小学生向け映像教材『目で見る算数』(教育出版)がある。主な受賞に、NewYork ADC Gold Prize、D&AD賞 Yellow Pencilなど。
佐藤 匡
1980年生まれ。映像ディレクター。2005年よりユーフラテス所属。近年の活動に、NHK Eテレ『テキシコー』(2020)、『考えるカラス』(2013)『大人のピタゴラスイッチ』 映像制作。toio™公式タイトル『工作生物 ゲズンロイド』(SIE、2019)のディレクション、『Shadows as atheletes』(JOC,2019)など。
山本 晃士 ロバート
1979生まれ。アートディレクター。2005年よりユーフラテス所属。近年の活動に、toio™公式タイトル『工作生物 ゲズンロイド』(SIE、2019)のディレクション・デザイン、科学映像『未来の科学者たちへ』シリーズ(NIMS、2013〜)映像制作、NHK Eテレ『テキシコー』(2020)ロゴデザインなど。
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