Agency for Cultural Affairs, Goverment of Japan
Creator’s Voice 侍 × 重田佑介

関ケ原跡で思いを馳せた、侍たちの息づかいと芭蕉の句

重田佑介は制作にあたり、1600年に日本各地の侍たちが2つの軍勢に分かれて戦った関ケ原古戦場を訪問した。今回、重田は関ケ原の合戦を描いた屏風をアニメーションを用いて再構築する。視察ツアー後、現地で感じた思いや、制作に向けてのアイデアを聞いた。 

ー現地視察を通じて、印象に残ったことを教えてください。

視察では、関ケ原古戦場を訪れました。両陣営から景色を見ると、敵陣との距離や、当時の人々の緊迫した雰囲気を感じられました。また、視察した11月6日は黄金色のススキや山の紅葉など、自然の美しさにも目を奪われました。そのせいか、松尾芭蕉が源義経の自死した東北で詠んだとされる「夏草や 兵どもが 夢の跡」という有名な句を思い出しもしました。

関ケ原古戦場を視察する重田佑介

ー制作予定の作品について教えてください。

作品の題材は『関ケ原合戦図屏風』。この屏風を紐解き、アニメーションで再構築します。この屏風では徳川家康が主役として演出されており、家康以外は個人の判別がつきません。しかし今回制作する作品では個を排して「主役なき群像劇」として描く予定です。一方で山並みや植物など、自然のディテールを描いて芭蕉的な視点を加え、「合戦図」を「風景画」に読み換えます。

作品の題材となる「関ケ原合戦図屏風」(大阪歴史博物館 所蔵)

力を入れているのは群衆の表現で、画面はドット絵ですが、近づいてもディテールが残るよう、人物は3DCGで制作します。原画から人々の衣装、道具等のバリエーションを抽出し、掛け合わせると、組み合わせは500種以上。これらを群衆シミュレーションで量的にコントロールします。ドット絵から巨大な世界観を生む作品はいままでにも制作しましたが、今回は過去最大のボリュームなので、どんな映像体験になるのか楽しみです。

群衆シミュレーションの様子

Profile

重田佑介
1981年生まれ。映像原理への興味を軸に、アニメーションを用いたインスタレーションを手がける映像作家。デジタルにおける映像との関わり方をテーマに活動。近年はピクセル表現に着目したアニメーション作品を多く制作、展示やイベントなどで発表している。主な受賞に、『がそのもり』で第16回文化庁メディア芸術祭 アート部門審査委員会推薦作品選出、『お話の力学』で第12回文化庁メディア芸術祭 アート部門審査委員会推薦作品選出など。
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