ー現地視察を通じて、印象に残ったことを教えてください。
博多織(福岡)、バラモン凧(長崎五島)、山鹿灯籠(熊本)、薩摩切子(鹿児島)と、各地の伝統工芸を視察しました。博多織の工場で見た機織り機は息を呑む迫力でしたし、山頂から上がったバラモン凧が青空を泳ぐ様子は神秘的でした。また、山鹿灯籠や薩摩切子など、伝統を守りつつ新しい表現にチャレンジする作家さんからうかがったお話も刺激を受けました。


ー制作予定の作品について教えてください。
作品は、自分がこれまでやってきた抽象アニメーションの表現で、各伝統工芸の模様の発展をイメージして描く予定です。大きな曼陀羅の像のなかに複数のモニターを埋め込んで、アニメーションが表示される立体物をつくります。空港内に設置されるので、遠くから見てもインパクトがあり、かつ異質感を演出できるようなパブリックアートを目指したいです。

映像を埋め込んだ立体作品をつくるのが初めてでワクワクしています。空港では足早に通りすぎる人も多いと思うので、短い時間で見る人の心を掴むことができるよう、これまでやってきた、短い尺で見せるGIFアニメの表現をうまく応用したいと思います。作品を設置した空間がインパクトのある場所になり、空港内の待ち合わせスポットになればと思っています。
