Agency for Cultural Affairs, Goverment of Japan

Haneda Airport
&
Narita Airport

日本は、世界中の多くの人にとってもっとも「異国」を感じる場所といえるでしょう。食べ物や街の音、礼儀作法、美意識など、この国のあらゆるものは、訪れる人々が自国で慣れ親しんでいるものから心地よい解放感をもたらします。
特に、他の地域では相容れることが難しいとされる概念の「共生」は、刺激的であり、畏敬の念を感じさせる部分です。一つの物体、場所、出来事の中に、「伝統と革新」、「公と私」、「自然と技術」、「剛と柔」という対立概念が絶妙な緊張感を持ち、共存します。
なかでも、外国から日本を訪れる者の目を引く根源的な両極性は「過去」と「未来」の関係といえるでしょう。日本はテクノロジーの最先端に立っていますが、その革新は伝統の上に立脚することで成立しており、未来を思考するに際しても,過去に対する深い認識が存在しています。日本の文化とは、モノや概念を継続的に再構築する「Vision」を持つ文化なのです。
羽田空港と成田空港の展示では、この独特な側面を表現しています。過去の叡智に支えられながら、未来を見据える新しい思考や創造性が、海を越えてやってきた旅人たちを出迎えます。

パオラ・アントネッリ | キュレーター
ニューヨーク近代美術館(MoMA)建築・デザイン部門シニア・キュレーター兼R&D部門創設ディレクター。日常の中に存在する見落とされがちなモノや習慣などにおけるデザインの影響力や、建築、アート、科学や技術の各分野とデザインの融合に関する調査・研究をライフワークとしている。
第22回ミラノ・トリエンナーレに続き、2019年にはMoMAで「ブロークンネイチャー」と題した「Restorative design(回復のデザイン)」に注力した展覧会を手掛けており、最近では建築家ネリ・オックスマンの作品による「マテリアル・エコロジー」展をキュレーションした。デザイン評論家アリス・ロースソーンとの共同企画であるインスタグラム・ライブシリーズ @design.emergencyでは、すべての人にとってより良い未来を築く上でのデザインの役割を探求、高い評価を受けている。

Exhibition theme

“VISION GATE”

Installation

Curator's Statement

音は空間と時間を定義する。言葉、ノイズ、トーン、テンポなど数え切れない要素が直感に届き、認識、理解を形作る前に、複雑に絡み合ってそれぞれの場所に固有の特徴を形成している。通常、空港はニュートラルなフィルターとして存在しているが、細井美裕とスズキユウリのインスタレーションは真の意味で日本への入り口となる。

展示場所: ⽻⽥空港第2ターミナル 2階出発エリア D保安検査場前(2021年2⽉27⽇〜)

Crowd Cloud

スズキユウリ / 細井美裕

Curator's Comment
「Vision」を音で表現するため、私たちはサウンドアーティストでありエクスペリエンスデザイナーのスズキユウリと、同じくサウンドアーティストでありコンポーザーである細井美裕にクリエーションを求めました。スズキと細井のコンセプトによれば、異なる言語はときに人と人との障壁となりうる一方で、音はギャップを埋める架け橋となり、摩擦を緩衝するものとなるといいます。とりわけ外国からの来訪者にとっては、新しい環境に徐々に慣れ、そこで自由に意思疎通できるようになるまでのクッションとして機能していくというのです。この作品では人間の声を中心に据えつつ、日本語の音、より詳細に言えば、46の文字、5つの単母音、40の子音と母音の組み合わせ、そして1つの子音のみの音「ん」から構成されるである「ひらがな」の音を抽出し、ユニークな楽曲を完成させました。多数のホーンが、あたかも空港の到着口で家族や友人を迎える人々のように、お互いに対話しながらサウンドを発し、音を奏でていきます。
*ひらがなは、日本特有の音節文字で、日本語のすべての言葉を表すもの。
Artist's Comment
空港は多様な言語が集まる場所である。音という世界共通のメディアをもちいて日本語を再構築し、意味から切り離された音が入国後最初に触れる日本のサウンドスケープを象徴するとともに、
様々な国から訪れる鑑賞者の言語が混ざり合うことで
、その総和によってこの作品は世界の言語のサウンドスケープとなる。 鑑賞者はこの作品を構成する重要な1ピースであり、
会場となる空港はひとつの大きな作品になる可能性を持つ。

[テクニカル統括]
イトウユウヤ

[テクニカルスタッフ]
田部井勝彦(MeAM studio)、上田真平

[システム開発]
テクニカルディレクション:堀尾寛太 (株式会社ポノール・エクスペリメンツ)
音再生デバイス:斉田一樹 (木下研究所)
演出ソフトウェア:新美太基
製作:井手優介
製作:二川菜々

[設計/施工]
ガブリエル・ヴァーガラII(ペンタグラム)、佐野誠 (スーパー・ファクトリー株式会社)、渋谷清道 (スーパー・ファクトリー株式会社)、秋吉和城 (スーパー・ファクトリー株式会社)、石田晃 (スーパー・ファクトリー株式会社)、木村悠介 (スーパー・ファクトリー株式会社)、作間未和子 (スーパー・ファクトリー株式会社)、白浜歩 (スーパー・ファクトリー株式会社)、田中慶 (スーパー・ファクトリー株式会社)、藤崎了一(スーパー・ファクトリー株式会社)、見門隆之(スーパー・ファクトリー株式会社)、武藤崇生(スーパー・ファクトリー株式会社)、森良浩(スーパー・ファクトリー株式会社)、山本努(スーパー・ファクトリー株式会社)、株式会社クラフトワーク

[着色]
真鍮着色: 杉本和文(株式会社杉本美装)
研磨: 佐野秀充(有限会社佐野政製作所)
コーディネーション: 林口砂里

[協力]
studio MSR、8%、日本空港ビルデング株式会社、日本空港テクノ株式会社
Artist
  • スズキユウリ
    サウンドアーティスト、エクスペリエンスデザイナー。2018年より世界最大のデザイン会社Pentagramのパートナーに就任。音を主軸に人間のコミュニケーションの可能性を追求する作品を製作している。アーティストとして数々の美術館やギャラリーで作品を発表すると同時に、企業とのコラボレーションも積極的に行なっている。最近ではアートと地域の関わりを念頭においたパブリックアートを多数手がけている。
  • 細井美裕
    1993年生まれ。マルチチャンネル音響をもちいて、空間そのものがもつ音を意識させるサウンドインスタレーションや劇場公演、自身の声の多重録音を特徴とした作品制作を行う。22.2chで制作した『Lenna』はNTTインターコミュニケーション・センター [ICC] 無響室、山口情報芸術センター[YCAM]、東京芸術劇場コンサートホール、国際音響学会AESなどで発表。第23回文化庁メディア芸術祭アート部門新人賞受賞。

Movie

Curator's Statement

6人のアーティストがそれぞれに制作した6本の映像作品が、様々な要素からなる、とても豊かで多彩な日本文化へ誘います。各作品は、到着ゲートから新しい世界へと続く通路などターミナルの様々な場所で上映され、いずれもがそれぞれの視点で日本の創作性と現実を映し出しており、独特のスタイルやコンテクストの作品を絶妙な調和で配置しています。

展示場所: ⽻⽥空港第3ターミナル 2階到着コンコース、⽻⽥空港第1・第2ターミナル 出発コンコース、成⽥空港各ターミナル内 デジタルサイネージ(2021年2⽉27⽇〜)

※⽻⽥空港における映像展⽰に関しては、すべて保安区域内

テーマパーク東京

acky bright

Curator's Comment
アッキー・ブライトは、日本が世界に誇るマンガ界で今最も明るく輝いているスターの一人です。彼はその聖地でインスピレーションに浸りながら育ち、黄金時代のマンガやアニメ、グラフィティ、実写映画、そして国際的ポップカルチャーを養分として摂取しながら自身の才能を養ってきました。素早いドローイングとライブペイントパフォーマンスでアッキー・ブライトは独自の視覚表現を行っており、多くの作品は伝統的な白黒作品でありながら画面から飛び出すほどに躍動的なスタイルが特徴です。今回、VISION GATEのために制作した作品では、空港の外で旅行者を待ち構える都市のイメージが眼前にひろがります。
Artist's Comment
進化しつづけるサイバーな街、渋谷。 ポップカルチャーの発信源、原宿。 アニメの世界に迷い込んだような錯覚をする街、秋葉原。 一方で江戸時代から何百年と形を変えない歴史的な街も数多く共存する。 東京とはまさに伝統と革新等、相対するものが邂逅し、共存する街である。 私は今回、漫画の原点ともいえる「鳥獣戯画」のような伝統的な絵巻物の構成をベースに 現代的なマンガの表現を用い、さらにそれを携帯型タブレットのみで描き、そこに映像表現をミックスするという手法で、伝統と革新を作品に投影し、この東京の街を表現した。 ―テーマパーク東京へようこそ。

映像ディレクション・編集:大野悟
協力: ディー・エル・イー
Artist
  • acky bright
    イラストレーター/漫画家 白と黒のラインアートをメインに国内外で活動。 日本の80〜90年代のマンガやアニメに強く影響を受けながらも 現代的なニュアンスも取り入れた唯一無二のスタイルは、海外に多くのファンを持つ。 また「Doodle」と銘打って、SNSやライブペイントでも数多く作品を発表している。 現在は漫画「新変形少女」(DLE)をWebで連載中

⼀勝負

井上純

Curator's Comment
グラフィティ(壁等に描く表現形式)は、それぞれの言語や文字によって息を吹き込まれた国境を超えるアートで、最も現代的なカリグラフィー(文字を美しく書く手法)の形式といえます。井上純は、神奈川県の禅宗の寺に生まれました。神奈川在住時より日本の代表的な伝統芸術である書道を習得。。東京に移ってからは都市の影響を受け、ヒップホップ、グラフィティに没頭し、掛け軸から壁へと表現の場を移しました。。そして手首だけでなく体全体を使っての表現へ移行していきます。井上がVISION GATEのために制作した映像作品では、「VISION GATE」のテーマの根底にある過去と現在の緊張関係を解釈し、表現します。
Artist's Comment
私にとってライブペイントというものは、心の中にある本質的な自分を呼び起こす為の行為であり、自分への挑戦である。書の世界に存在する一回性を意識しながら、命が宿っている様子をラインで表現。普段の自分を解放させて誰も見た事のないラインをこの世に出現させたい。そんな想いで描きました。

アーティスト:井上純
映像ディレクター:坂本尚人(Hangout Company)
撮影カメラマン:田中一成 / Kazunari Tanaka
照明:古久保 亮介、鍵本 凌(Anchor)、大友 健次郎(Anchor)
プロデューサー:田村梨江(Hangout Company)
アシスタントプロデューサー:松坂穫(Hangout Company)
美術:佐藤千穂、森下竜多、杉村昂聡
Artist
  • 井上純
    日本特有の繊細な精神性をアブストラクトな線で描き、独特 な「間」を創出。モダンなセンスと伝統的なスピリッツが混ざり合う絶妙な感覚が、見る者の意識を刺激する。ファッションや音楽ともリンクし多技に渡りライブペイントの実施や、作品を発表。国内を始め、海外ではメルボルン、パリなどでも数々の個展を開催している。

重⼒の庭

児⽟幸⼦

Curator's Comment
児玉幸子の科学、より正確には物理学のバックグラウンドは、強磁性流体(磁性ナノ粒子のコロイド液)を用いた作品で輝きを放っています。児玉の作品では、液体が優雅に躍動し、調教された動く彫刻となって、その精密な幾何学的旋回が見るものを幻惑するのです。VISION GATEのために製作された映像では、通常は暗い色調のコロイド液が赤、青、緑の蛍光塗料で染められており、動く造形物は漆が塗られているかのように見えます。そして、この無機質な物質の動きの中から、理想的な日本の自然風景が浮かびあがっていきます。
Artist's Comment
使い慣れた黒色の磁性流体ではなく、開発されたばかりの赤・緑・青色の”蛍光磁性流体”を使って、作品「突き出す、流れる(Protrude, Flow)」「モルフォタワー/二つの立てる渦(Morpho Towers/Two Standing Spirals)」等を被写体とした映像を制作した。架空の惑星の重力と磁力の庭で、有機的な形が力強く生まれ、漆のようにも見える独特な質感を輝かせながら分裂・融合し、薄明の中、泡のような文様を広げていく。日本の自然と様式美、色彩の影響を強く受けながら、窓の中のビジョンに、磁性流体のオブジェを山や海の景色、植物に見立てた日本庭園を作り出した。

撮影:東北新社
プロデューサー:小林弘明(TFC)
カメラ:西岡章 (TFC Plus)
DIT:花澤和彦(TFC Plus)
照明:伊地知新
編集:児玉幸子
協賛(蛍光磁性流体提供):株式会社 フェローテック ホールディングス
謝辞:竹野美奈子(“突き出す、流れる”)、郡和子(調布グラススタジオ)
協力:電気通信大学、児玉幸子スタジオ
Artist
  • 児⽟幸⼦
    北海道大学理学部卒、筑波大学芸術学研究科修了、博士(芸術学)。2000年より磁性流体のアートプロジェクトを推進。作品『突き出す、流れる(Protrude, Flow)』(2001年SIGGRAPH Art Gallery入選)で、第5回文化庁メディア芸術祭インタラクティブ部門大賞を受賞。作品は20か国以上の美術館やギャラリー、公共空間、個人宅などで展示され、美術・デザインの領域にとどまらず、幅広い分野に影響を与えている。

TSUGI

PARTY

Curator's Comment
PARTYはきらめくイマジネーションにて多方面で活躍中のクリエイティブエージェンシーです。美術館、政府機関、インターナショナルブランドから無名の個人アーティストまで、あらゆる規模と分野のクライアントのクリエイティブ・ディレクションを手掛けてきました。PARTYのプロデューサーやデザイナーたちは、東京の中心地に野菜を植え、映像と音で野菜のデザインを拡張し、空港ターミナルを陸上競技場に変えましたが、これらは全体のほんの一部にすぎません。言い換えれば、彼らはありとあらゆる領域を手がけているのです。チーフクリエイティブオフィサー兼共同創設者の伊藤直樹に日本に対する彼のビジョンを我々に提供して欲しいと求めたところ、 伊藤は力強いジェスチャーとともに世界を特徴的な形で合成しました。テクノロジーの詩的な活用と想像力の力によって、伝統的な工芸技法は差し迫る環境危機や我々の惑星の窮状を表現できる力を得ました。この新たな表現は、すべての人にとってより良い未来へのビジョンを定め、それに向かって進むよう、我々を突き動かします。
Artist's Comment
日本人は、室町時代から「金継ぎ(Golden Repair)」という修復の手法で、 陶磁器の破損部分を金粉で装飾し、それを「景色」と呼んで芸術的な価値を見出してきました。 陶磁器の表面のようにも見える映像は、衛星が捉えた地球の表面です。 地球温暖化によって溶けてしまった南極の氷や山火事によって失われた森林などが、 人類の意志によって「金継ぎ」され、ふたたび増えていく様子が希望的に描かれています。 ひび割れた地球をそのままにしない。この美しい景色を次へと継ぎたい。 そんな人類の強い意志と行動が、いま必要なのではないでしょうか。
Artist
  • PARTY
    アート、サイエンス、デザイン、エンジニアリングを領域横断し、未来の体験を社会にインストールするクリエイティブ集団。 代表作に、成田国際空港第3ターミナルの空間デザイン、「WIRED」日本版のクリエイティブディレクション、RADWIMPSやkZmとのコラボレーションによるバーチャルライブ「VARP」など。「Stadium Experiment」や「The Chain Museum」などの事業もおこなっている。

満⽉の⽇

茂⽊モニカ

Curator's Comment
「日本の女性性」に対する茂木モニカ独自の視点は、優雅さと激しさに満ちています。日本女性の伝統的なイメージに付随するステレオタイプを意識しつつも、茂木はそれらを自由に取り扱い、繊細に、そして力強く変容させていきます。時には、古びた写真技法や機材を使用することで鑑賞者はイメージを捉えることが難しくなり、やがて道しるべとなるディテールを探すようになります。茂木がVISION GATEのために16mmで撮り下ろした映像は、彼女自身が心を寄せる日本の風景への讃歌です。映像内では茂木のモデルの友人二人とともに、魅惑的な旅路を歩んで日本中を巡ります。
Artist's Comment
この作品では、異世界的、神秘的であると私が感じる日本の自然風景への愛と、強くてユニークな女性への憧れが融合する。撮影は火山活動で生まれた箱根の大涌谷と、溶岩地形で有名な群馬の鬼押出し園にて行ったが、全編を通して16mmフィルムカメラで、手持ちで撮影した。時間のリズムの象徴としての満月と、何代にもわたって一族の女性たちに受け継がれてきた着物という私個人の人生におけるモチーフが映像を織りなす。サヤカは、母のお気に入りの紫の着物を着て、祖母の三味線を弾く。私の友人のキコは、祖母が着物からリメイクしたドレスを纏うが、これは伝統の変容を示唆する。

映画監督・撮影監督・編集者: 茂木モニカ
出演:サヤカ・ボタニック、水原希子
ロケーション:
大涌谷(箱根)
仙石原すすき草原(箱根)
草津温泉
鬼押出し園
Artist
  • 茂⽊モニカ
    茂木モニカは、1992年生まれのアーティスト、写真家、ディレクター。独学で写真を学び、10代の頃よりVogue Japan、ArtReview、NumeroTokyoなどのアートおよびファッション雑誌にてキャリアを積む。すべての作品にてクリエイティブディレクターを務めつつ、友人をキャスティングし東京のユースカルチャーに光を当てている。アメリカと日本の両方で育った茂木は、独自の視点で2つのカルチャーを融合させる。近年では、東京、ニューヨークで写真展を開催。テレビCMやファッションキャンペーンのディレクションなど、活躍の場を世界に広げている。パオラ・アントネッリとのコラボレーションは、2016年にMoMAで開催された展覧会『Items: Is Fashion Modern?』に出品する作品の撮影を依頼されたのがきっかけ。

Kojiki – Amenomanai

森万⾥⼦

Curator's Comment
森万里子ほど自然に「Vision」の概念を伝えるアーティストはいないでしょう。魅惑的なサイボーグのアーキタイプをで知られていた初期作品から、近年の日本の神話への探求、今回の映像展示での日本の創世神話にまつわる最古の書物『古事記』への探求を通して、彼女は自らの身体や日本の女性性の解釈を用いて日本の過去と未来へのビジョンに生命を与えています。あるときは皮肉に、またあるときは真面目に。森の態度は全方向的であるといえます。映像、写真、彫刻、パフォーマンスなどの手法を自在に使い、巫女、お姫様、ホステス、アニメの主人公まで、多様なキャラクターをあらゆる切り口で解釈してきました。彼女の多面的で分野横断的な作品は、祖先からの伝統の息吹によって命を吹き込まれ、同時に未来に向けて投影されている日本文化の精髄を描き出しています。
Artist's Comment
本作は『古事記』のある場面をCG映像にしました。神話によると、天照大神は須佐之男命(ルビ=すさのおのみこと)の剣を真名井の神水で清めます。消毒が日常化している今日ですが、“清める”という所作は物質だけではなく、精神の穢れを祓うものとして、神道の祀りや茶道などの伝統文化でも重要視されています。水面に映った姿は、モーションキャプチャーによりその動きを三次元データ化し、身体性の無い人物像として描きました。

協力:
内川隆志(国学院大学)、松林豊樹(宮崎県立西都原考古博物館) 、中野和浩(宮崎県えびの市歴史民俗資料館)、CyberHuman Productions、桐島ローランド、芦田直毅、中野江美、児玉秀行、柳島秀行、金栄柱
Artist
  • 森万⾥⼦
    90年代半ばより国際的に活躍。世界各国の国際展に参加し、美術館での個展も多数開催。作品が美術館等に多数コレクションされている。主なパブリックアート作品は2010年に宮古島に『サンピラー』、2016年リオオリンピック公式文化プログラム 『Ring: One with Nature(リング・自然とひとつに)』、虎ノ門ヒルズビジネスタワーエントランス『Cycloid V』などがある。主な受賞歴は1997年第47回ベニスビエンナーレ優秀賞、2001年第8回日本現代藝術奨励賞。2014年ロンドン芸術大学より名誉学位授与。

Trailer

Haneda & Narita Airport Japanese Vision Travel

カルチャーとは、
過去から現在
そして未来へと通じる
ビジョンである

パオラ・アントネッリ

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